こんにちは。
占星術家の竹内俊二です。
約3ヶ月ぶりに占星術セッションを再開しましたので、そのお知らせです。
その他、現代占星術では「具体的に判断する」質問には答えられないはずなのに、今まで僕はそれに類する質問にはどう答えてきたのか。現代占星術のどういう所が好きか、などについても書いています。
占星術セッションの詳細
webサイトの占星術セッションのページはこちらです。
占星術セッションの休止と再開の理由
数日前からwebサイトの文言を編集し続けていました。そこで考えたことなどを書きます。
現代占星術と古典(伝統)占星術の違い
僕が占星術セッションを休止していた理由には、古典(伝統)占星術を知ったことが大きく関係しています。過去にも似た内容をブログに書きましたが、前置きとして再び書きます。
(現代占星術と古典(伝統)占星術をあまり対照的に語ることは建設的ではないと思いますし、境目も曖昧です。ここではわかりやすくするために、あえてこのように書いています。)
僕は昨年の10月頃から古典(伝統)占星術を本格的に知りはじめたことで、占星術の中に理解できていない領域が膨大にあることがわかりました。今まで「これが占星術だ」と信じていた領域は、占星術という氷山の中の一角である現代占星術という一分野であって全てではないと分かり、不安になったのでした。
一概には言い切れませんが、大まかに分けると
- 古典(伝統)占星術には細かいルールがたくさんある。それらを駆使しながら、ロジカルに「Yes or No」「A or B」などの具体的な判断を導くことができる。
- 現代占星術にはルールが少ない。そのため解釈の自由度が高く、読み手の感性を活かしながら、心理的な傾向や可能性について豊富に語ることができる。しかし具体的な判断をすることは難しい。
という違いがあります。
答えられるご質問と、答えられないご質問
占星術セッションにお申し込みされるお客様には、相談して解決したい問題があります。しかし、古典(伝統)占星術について知ったことで、現代占星術しか分からない僕には、「答えられるご質問」と「(直接的には)答えられないご質問」がある、ということが明確になってしまいました。
にも関わらず、今まで通りに占星術セッションをし続けていいのだろうかと不安になり、3ヶ月くらい休止していました。
例えば、
- 「私にはどんな職業が向いていますか」
- 「どんな職業や働き方が個性を発揮できますか」
というご質問には、僕は答えることができます。
対話しながら、個性を掘り下げていくようなご質問は非常に楽しく、わくわくします。具体的にはネイタルとハーモニクスを点検し、プログレスやトランジットから今の状況との兼ね合いを読みます。今までやってきた、慣れた方法です。
しかし
- 「来月で今の仕事を辞めた方がいいですか」
- 「この会社に転職しても大丈夫ですか」
という具体的な判断を求めるご質問には、僕は "直接的に" 答えることができない、ということが分かりました。
このご質問には、古典(伝統)占星術のルールを用いたホラリー占星術の方が適しています。ホラリー占星術とは「相談者のご質問を読み手が理解した瞬間のホロスコープから、その答えを導き出す」という手法です。まだ僕にはそれが扱えません。勉強中です。
今まで「答えられない」はずのご質問にはどう答えていたのか
そうは言っても、今までも上記のようなご質問を受けることはよくありました。それら全てを「答えられません」と突っぱねてきたわけではなく、現代占星術の手法を用いて、"間接的に" 答えていました。
ネイタルやハーモニクスから個性を理解し、プログレスやトランジットやソーラーリターンから近況を推理し、ご本人の意志を伺い、全ての要素を考慮して、最も自然な道筋を探るという方法です。
前述の
- 「来月で今の仕事を辞めた方がいいですか」
というご質問であれば、現代占星術の手法から「辞める」「辞めない」という結論をハッキリと断言するのは難しいのですが、複数のホロスコープ検討して、それらが共通して示唆していることを探ります。要するに、断言はできないが「その時期に、それっぽい配置があるか、否か」を探すわけです。また、ご本人の意志や具体的な状況も伺い、その関連性も確かめます。
しかし、複数のホロスコープを参照すると要素が膨大に増えるので、一体どこを決め手にしたらよいのか迷います。「あなた次第です」「なるようになります」と言いたくなりますが、それでは元も子もないので、頑張って自分なりの具体的な解釈に絞り込みます。
様々な要素がいちばん矛盾なく繋がるようなストーリーを想像します。
混沌とした情報の海から一瞬だけ道が見える時がある、と言ったら非常に怪しいのですが、「これか」という手応えを感じるタイミングは確かにあります。直観と言った方が適切かもしれません。
それを立ち上がらせてくれるのは対話です。具体的な周辺情報を伺うだけでなく、相手と直接対面して(オンラインでも)言葉や意志に直に触れることが、僕にとっては大事です。
僕は過去にコーチングを勉強していたことがありました。CTIジャパンという組織のワークショップに通い、応用コースまで卒業しました。そこで「答えはクライアントの中にある」ことを学びました。その経験が、今の占星術セッションのスタイルに影響しています。
お客様の立場で考えると
現代占星術がどうとか、古典(伝統)占星術がどうとかいう話は、完全に僕の事情です。そういう概念について知る由もないお客様にとっては、正直どうでもいい話だと思います。
「そっちの事情なんて知らんがな」「私の悩みを解決するために、スパッと答えを出してくれるのがプロの占い師でしょう」と思われるかもしれません。
そういったお客様の僕に対する期待外れ(=僕が答えてくれると思っていた質問に、直接的には答えられない)を防ぐために、占星術セッションにお申し込みいただく前の注意事項のページを作りました。
ですが、そもそもの話、僕は占い師でもセラピストでもありません。その目的のために占星術を勉強し始めたわけではなく、占星術が面白くてハマっていたら「私を見て欲しい」という依頼が増えてきた、という順番です。
お客様と対面している時は全力でそこに集中していますが、お客様の問題を解決をしたり癒やしたりすることは、僕にとっての占星術の第一目的ではありません。占星術がどのように機能しているのかを観察し、理解することが第一目的です。
そのため、僕は占星術以外の補足的なスキルを身に着けようとは全く思っていないのですが、占星術を通してじっくりお話することは、結果的に二次的にはお客様の後押しになっています。
現代占星術の価値は何か
今の自分には答えられない質問があるけれど、占星術セッションを再開しようと思った理由は、現代占星術に価値があると感じたからです。
それは、昨日書いた占星術セッションのページに集約されているように思います。
自分の短所は深刻に見えて、長所は過小評価しがちです。占星術のフラットな視点でその偏った誤解を解き、自分を再発見して今よりも好きになること、希望を感じられる状態になることが、何よりも大切です。そうなれば自然に未来への見通しも変わり、次に起こす行動も変わるはずです。
現代占星術の素晴らしいところは、人間の個性について極めて豊かに、かつ柔軟に語れるところです。
古典(伝統)占星術と比べてルールが少ないからと言って、何でもアリというわけではないです。そのルールは貴重な、外してはいけないものです。直観を引き出す布石です。
ルールの縛りがあるからこそ、解釈の言葉を絞ることができます。誰にでも使い回せるような、耳障りの良い定型文的な理想論ではなく、たった一人の個人に向けたメッセージです。それは説得力を伴ってその人に届きます。
それがきっかけで、自分が好きになって希望を感じられたら、未来の見通しが変わります。すると、次に起こす行動も変わるはずです。自分のことは、自分で決められるのがベストだし、幸せにつながると僕は思っています。
現代占星術の「断定しない(できない)」余白が、僕にはちょうどいいです。創造的な余白です。有用なヒントを得られるけれど、最後の詰めの具体的な判断までは面倒をみてくれない。だからこそ、本人の意志が尊重されます。自分の人生は、自分の意志で決めるのが僕はベストだと思っています。
お知らせ
オンラインサロンをスタートします
10月からオンラインサロンをスタートします。
タイトルは「ねこちゃんとトランジットを読む会」です。
詳細は後日改めてお知らせします。
週に2回、Facebookグループのライブ動画で、トランジットを説明します。トランジットを観察することで、占星術の象徴が日々身近でどのように表れているのかがわかります。キーワードで暗記しただけの象徴がリアルに実感できると、表現に説得力が生まれます。ネイタルの解釈にも一部応用できると思います。