こんにちは。
占星術家の竹内俊二です。
以前にも書いたような気もしますが、再びトランジットについて書きました。
トランジットは、いずれまた講座を開催する予定なので、その下準備として書き始めました。詳しい配置の解説に入る前の概念や、サイトで二重円を出す方法などです。ねこでもわかるように頑張ります。
ねこでもわかるトランジット(その2)
トランジットとは
トランジットとは、現在(あるいは、過去、未来など)の太陽系の天体配置です。占星術的な意味においての "現在の空模様" みたいなものです。日本語では「経過」と訳すようです。
トランジットは「今の星回りはどんな感じなのか?」とか、「転機はいつ頃か?」「今年の流れ」「今日の運勢、気分」などの、様々な時期的な事柄を読む時に使うチャートの1つです。
トランジットの主要な天体は、ネイタル(出生)と同様に10個あります。
ネイタルの天体は動きませんが、トランジットの天体はそれぞれの周期で、刻一刻と動いています。
まるで「針が10本ある時計」のようにも見えます。月と太陽以外は逆行します。さらにトランジットの天体同士がアスペクトを作り、お互いに影響を与え合ったりするので、だいぶ複雑な時計です。
これは、僕がこのブログ記事を書いている「今(というか、2日前)」のトランジットチャートです。
nut's wheelというサイトで出しました。このサイトは表示すれば、その時のトランジットがぱっと出るので便利です。(ただ、僕はiOS版のAstro Goldというアプリを買ってからは、使う機会はなくなりました。)
雑誌やブログの記事で、
- ◯月◯日から水星が逆行開始します
- 今は乙女座に天体が集まっています
- 12月初旬に木星が山羊座に入ります
などと書かれているのを見たことがあるかもしれません。これはすべてトランジットの話です。
昨日は乙女座で新月でした。これもトランジットの天体同士のアスペクトの1つです。新月とは、トランジットの太陽と月がホロスコープ上で重なる(コンジャンクション)配置のことです。
トランジットはネイタルとの二重円で見た方がいい
トランジットのみだと解説がアバウトになる
僕は過去にブログなどで「新月・満月のホロスコープ」の解説を書いていたことがありました。
これらは日本の全員の運勢をたった1枚のチャートで語るというもので、言わば「日本全体の天気予報」です。そのため、どうしても内容がアバウトで壮大になり、想像や創作的要素が増えていきます。
最初はノリで、自分の練習のためにと思って書いていましたが、落とし所がわからなくてまとめるのが本当に大変になってきたので、ある時にやめました。
僕はトランジットを読む時には、対象となる個人を定めた方が読みやすいです。要するに、トランジットはネイタルとの二重円を作成した上で読んだほうがいい、ということです。
ネイタルはトランジットを受け止める「器」
ネイタルは個人の人生を形作る上での元になる特徴です。ネイタルはトランジットの影響を受け止める「器」と考えてください。
ネイタルの「器」は12のハウスに仕切られています。その仕切りの内側には、各ハウスの特徴づけをするサインの色(特色、性格付け)が塗ってあり、10個のネイタルの天体が配置されています。それは動きません。
その器のどこかに、トランジットの天体がスポッと降りてきます。
人それぞれ、ネイタルの「器」は異なっています。
ネイタルのASC(アセンダント、東側の地平線と黄道が交わるポイント)のサインや度数が違うと、そこに収まるトランジットのサインの輪の位置も変わり、するとトランジットの天体が収まるハウスは、人それぞれ違ってきます。
例えば、昨日は乙女座の新月でしたが、その新月がネイタルのどのハウスに来るのかは、人によって違ってきます。
それでは、具体的なネイタルと、今日の乙女座の新月のトランジットとの二重円を見てみましょう。まだ最初なので、アスペクトは置いておいておきます。
《Aさん》
AさんはASCが水瓶座の14°49′にあります。
乙女座の新月は、Aさんにとっては7ハウスで起こっています。
7ハウスは対人関係のハウスなので、雑に言うと「この新月のテーマは対人関係やパートナーシップです。対人関係で新たにスタートすることがあります」と解釈できます。
サインが乙女座なので、公私のパートナーとなる相手のキャラクター像が乙女座的です。つまり、業務上のパートナーとか、細部にこだわる相手です。
《Bさん》
BさんはASCが牡羊座の20°42′です。
乙女座の新月は、Bさんにとっては5ハウスの終わり際で起こっています。
「5度前ルール」で考えると、6ハウスと捉えた方がいいと思います。この新月のテーマは「労働、健康など」です。
ちなみにこれは僕のネイタルです。
昨日は温泉に行き、その後はずっとブログを書いており、今日もずっとブログを書いていました。ずっと同じ姿勢で集中し続けていたので、珍しく肩こりになりました。
「ねこでもわかるトランジット(その1)」を書いたので、次は「その2」を書かざるを得ません。そういう意味ではスタートですね。
二重円を出す方法
ネイタルとトランジットのアスペクトについての詳しい説明を書く前に、サイトで二重円を出す方法について補足します。何でもよいので、ささっと二重円を表示できる環境を整えておくことが、まず大事です。
「nut's wheel」の場合
二重円は前述したnut's wheelでも出せます。
- サイト内の上側の「二重円」というタブをクリックします。
- 画面左側の「★ 内円」に、出生データを入力します。
- 「データを記憶」ボタンを押すと、1人だけ出生データを保存できます。
すると、一度サイトを閉じたとしても、次に開いた時には、同じ出生データが内円に表示されます。 - 画面右側の「★ 外円」には、最初から現在の日時が入っています。画面右下の「チャート作成」ボタンをクリックすると、2重円のチャートが表示されます。
日時を変更すれば、違う日時のトランジットを表示できます。
これはブログを書いている最中(2日前)の二重円です。
- 内円=僕のネイタル
- 外円=現在のトランジット
がそれぞれ表示されています。
また、ネイタルとトランジットのアスペクトの線も表示されています。
ネイタルだけでもアスペクトは複雑で大変なのに、また読む場所が増えるの!?と思われるかもしれませんが、トランジットをきちんと読むためには欠かせない要素です。でも今は、ひとまずアスペクトの話は置いておきましょう。
「Astrodienst」の場合
Astrodienstはデータの精度も高く、機能も豊富なサイトです。
- 「出生データ」を選択します。
- 「チャートタイプ:出生図と経過*」を選択し、「クリックしてチャートを表示」ボタンをクリックします。
これは見た目にはあまり二重円ぽくないです。黄緑色で表示された記号がトランジットです。
「表したいチャートの日付」の欄の数字を変えれば、任意の日付のトランジットを表示できます。
nut's wheelと違って、Astrodienstはアスペクトの線が表示されません。
その他の僕が使っているアプリ、ソフト
使い方ではなく紹介です。
Astro Goldなどのアプリの中には、トランジットの日付をアニメーションするように、ぐるぐる動かせるものもあります。それはとても便利です。
これはiOS版のAstro Goldの二重円です。
これはStargazer(スターゲイザー)というソフトです。Windows専用です。
「ホロスコープ三重円」というメニューから、この画面が出せます。Stargazerでは、時期の配置はネイタルとトランジットの二重円ではなく、プログレスも含めた三重円を表示する仕様になっています。
この三重円のレイアウトは個人的に最も見やすく、ショートカットキーで時期を進めたり戻したりする操作もスムーズです。僕はStargazerがなければセッションができないとさえ感じますが、この三重円というレイアウトは海外ではあまりメジャーではないようです。
これはKepler(ケプラー)という占星術ソフトです。
Windows専用です。
操作性や動作の軽さはStargazerに劣ります。三重円も一応表示できますが、実践的ではありません。ただ、細かいマイナーアスペクトが表示できたり、データベースの検索やタイムラインの機能などが素晴らしいです。Stargazerで三重円を表示する以外は、全てKeplerを使っています。
ちなみに、僕はこちらのサイトを通してケプラーを購入しました。
今日はこの辺で終了です。
また時間ができたら書きます。続く。