ねこちゃんの占星術

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『アスペクト解釈大事典』の読書会を2周した思い出とその後

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こんにちは。
占星術家の竹内俊二です。

7月31日に『アスペクト解釈大事典』の一人読書会が終了しました。ごく個人的な思い出の記録とその後について。こんなにお世話になった本はありません。

 

 『アスペクト解釈大事典』読書会の思い出

アスペクト解釈大事典とは、この本です。 

アスペクト解釈大事典

アスペクト解釈大事典

 

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945ページある厚い本です。注文して家に届いた時、「内容にはとても興味があるが、一人で読むのはムリ」と思い、読書会をすることに決めました。会にしてしまえば、一人で勝手に辞めらず、強制的に読み進められると思ったからです。

出版社の説話社と著者の松村先生に許可をとり、Facebookグループを作りました。「参加条件は本がお手元にあること」としました。メンバーを募り、2017年7月6日から「朝の読書会」がスタートしました。

朝の読書会(2017年7月6日〜2018年6月4日)

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週に3回、朝の6時〜7時に決めました。方法はskypeのグループ通話です。参加者が1項目読み、その時に僕は要点と思われる箇所に線を引き、その後で僕が改めて解説や思いつくことなどを話しました。ご質問があればお答えしました。参加者は5〜8人くらいだった気がします。参加者の方からのご質問や、「私はこのアスペクトを持っています」という話がたいへん勉強になりました。

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お陰で早起きの習慣がつきました。


読書会の開始時のチャート

これは朝の読書会の第一回目の開始時のチャートです。
この読書会の様子が現れていて面白いです。

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  • ASCに蟹座の水星があります。天王星とスクエアです。
    勉強や読書などの知的な活動は水星です。みんなでやるから蟹座。skypeでやっていたので、メンバーが直接顔を合わせたことは一度もありませんでした。海外から参加された方もいらっしゃいました。そのあたりはスクエアの天王星です。

  • ASCのルーラーは月。
    月は射手座にあり、双子座の金星とオポジション。さらに水星がセクスタイル。
    短く区切ってみんなで読んでいる。あるいは、僕と他の参加者が対面している様子に見えます。この月と、ネイタルの僕の太陽が合です。

  • 目的を表す太陽や戦いの火星も蟹座で12ハウスにあり、6ハウスの冥王星とオポジションです。
    一筋縄ではいかない巨大なものに、皆で力を合わせて立ち向かう。重労働。その末の突破。


これは僕のネイタルと読書会スタートの二重円です。

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  • ICに太陽。4ハウスに合計3つ。
    拠り所。下地。場作り。
    この時から2年近くもこの本を読み続けるとは思いませんでした。今となっては、この本が知識の重要な下地になりました。

  • ネイタルの土星と、トランジットの土星がスクエア。
    ネイタルの土星が、僕にとっての既存の占星術のルールだとすると、それの限界を感じ、改定しなくてはいけないと思っていた時期です。ケプラーも導入したのも9ハウス土星の時期でした。

  • ネイタルの太陽に対してトランジットの月がコンジャンクション。
    この日時は狙ったわけじゃないのですが、ピタリと重なる配置ができると驚きます。

 


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いちばん記憶に残っている出来事は、僕が2回連続で寝坊してしまい、おそらくそれが原因で参加者の1人に怒られて、朝起きれるかが不安であまり寝られなくなったことです。それを機にサブ司会役を決めて僕が寝坊しても進む仕組みに変えました。とても心強かったです。その参加者の方は、その件の数日後に事前連絡なしに欠席されました。それから全く音沙汰がなくなりました。たぶん、その人も寝坊したのだと思います。

読書も終わり際になって、メンバーで「skypeお茶会」もしました。読書以外の適当な話をする会です。もっと早くやればよかったという感想がありました。僕は交流の場を作ることが不得意です。というよりも、あまりそこに関心がなくて、無駄な話をせず、読書を終えることが僕の役割だと考えていたからです。

 

 

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いろいろありましたが、朝の読書会は2018年6月4日に終了しました。


一人読書会(2018年4月25日〜2019年7月31日)

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「朝の読書会」を始める前から「私も参加したかったのですが、曜日と時間が合わないので参加できません」という方が何人かいました。また、開催の途中でも「最初から参加したかったです。また最初からやりますか」という声がありました。

そう言った声にお答えするために、今度は「一人読書会」を考えました。それは僕が一人で読書して、その動画をFacebookグループに投稿し、各自で視聴していただくというものです。

2018年4月25日から一人読書会がスタートしました。本に線を引き直したかったので、もう1冊買いました。

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これは一番最初の収録です。


朝6時前に起きるプレッシャーが無くなり、参加者の出欠を取ったりskypeでコールしたりする手間はなくなりました。それはいいのですが、「QuickTimeで収録 → iMovieで編集 → Facebookに投稿」という手間と時間が、予想以上に負担でした。また、グループのメンバーは何十人もいるのに(現在は119名)、視聴数が1人とかだと、モチベーションにも影響しました。

そのため、途中からFacebookグループの「ライブ動画」で収録・投稿をすることにしました。編集はしないことに決めました。これなら動画をアップする待ち時間はゼロで、負荷が減りました。誰か1人でもリアルタイムで視聴しているとなると、いい意味で緊張感が生まれました。時間のある時に読書すれば良いという緩い制約だと、すぐに止まってしまうので、以前のように朝に読書すると決めました。

しかしまた別の問題がありました。読書自体が単調に思えてきて「これで本当に何かが身についているのだろうか」と思い始めました。そこで、途中から実例を出すようにしました。占星術ソフト「ケプラー」には検索機能があるので、読書した箇所のアスペクトを持つ有名人をリストアップすることは、容易に出来ました。

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ケプラーのパッケージです。


最初は全て口頭のみでチャートなどは出さずに解説していたのですが、途中からzoomの画面共有機能を使い、有名人のリスト(スプレッドシート)とホロスコープを画像で出すようにしました。完全に講座です。しかしこれは楽しくて、毎回発見があり、やる意味を僕が実感できるようになりました。有名人のデータベースやリストの体裁も、徐々に改善されていきました。

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これは読書会の最終完成形です。


ただ、事前の準備の時間もかかるようになりました。読書が30〜40分かかるのに対し、準備が2時間くらいかかるようになりました。本に線を引く。その後、該当する有名人のホロスコープを適当に開く。そして、説明するのに最適な人物なのかどうかを検討する。人物について知らなければ、Wikipediaで調べる。

僕は世間のことにも、歴史上の人物や偉人にも疎いので、基本的に調べないといけません。なので、毎日Wikipediaを読むことが習慣になりました。それはグループ講座でも役立ちました。

「◯星と◯星の◯度」のアスペクトを説明するのに、最適な人物とは一体誰なのか。これは非常に難しい問題です。よく奥さんのまちこさんに、この悩みを比喩的に話していました。「ラーメンを一度も食べたことのない外国人に、1杯だけラーメンを食べさせて、『これが全ラーメンを代表するラーメンだ』と言う難しさがわかるかい」と。

これは、グループ講座でも感じていた悩みでした。しかし、これは読書会は無料ですし、読書がメインなので、適当に割り切って決めていました。

そして2019年7月31日に一人読書会は終了しました。朝の読書会から合計すると、2年近く続けてきたわけですね。


アスペクト解釈大事典の特徴

アスペクト以外の事もランダムに書いてある

後戻りせず、思いついた端から書いて突き進んでる印象です。アスペクトだけでなく、占星術の全般的な内容が、いろいろランダムに織り交ぜて書かれています。サインを組み合わせた例とか、身体対応、度数の意味やサビアンシンボル、ハーモニクス、36度の説明も微かにありました。他には、タロットカード、生命の樹、エニアグラムなど、本当にいろいろです。ただ、それは目次や索引にはないので、狙って探すことは困難です。笑える例え話も、時々出てきます。

 

天体の意味、アスペクトの意味が実に様々な表現で書かれている

この本の各項目の構成は、以下のようになっています。

  • 「①アスペクトの意味」
  • 「②2つの天体の意味」
  • 「③2つの天体+アスペクトを組み合わせた意味」


例えば「太陽と冥王星/180度」という項目ならば、

  • 「①180度の意味」
  • 「②太陽の意味、冥王星の意味、太陽と冥王星のセットの意味」
  • 「③太陽と冥王星の180度の意味」

という3つが要点になるのですが、①と②は別の項目でも毎回繰り返し説明されています。①と②を上手に1箇所に集約してしまえば、この本は半分くらいの厚さになったのかもしれません。

ですが、この重複する部分はコピペではなく、説明の切り口や表現が同じにならないように努力されています。アスペクトの解釈のみを期待する人にはまわりくどく感じられるに違いありませんが、占星術の総合的な学習の教材として考えるならば、とてもよいと思います。

本音で書かれている

多くの本では、解説のスペースが狭く限られているので、説明が決めつけ的で具体的過ぎる「占いワード」になりがちです。しかし、この本は紙幅にとてもゆとりがあるので、本音で自由に書かれているように思います。

本の終盤、トランスサタニアン同士のアスペクトの部分は抽象度が高くならざるを得ません。松村先生の書き方も、時々開き直っているようでした。

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天王星と海王星のアスペクトを説明する時に抽象性が高くなり、説明があまり具体的に見えなくなっていますが 、天王星と海王星を説明するのに、わかりやすい具体的な例はないのです。


僕はこの部分を見て少し安心しました。こういう場合は、サインやハウス、他の個人天体などから情報を拾って解釈しなくてはいけません。それ抜きに解釈しようとすると不自然な決めつけになります。そうは書けない、という本音の解釈です。

なので「個人天体がアスペクトを作った場合」「具体的にこういうサインの組み合わせだった場合」などの、具体的な例を出して説明されています。

 

読書会を終えた後の変化

占星術用語の理解の充実度が増した

天体とアスペクトについて、豊富なバリエーションのボキャブラリが身につきました。これは、何種類もある個別のアスペクトを記憶できたという意味ではなく、「10個の天体の意味」「2つの天体同士を組み合わせた意味」と、「0度、40度、45度、51.428度、60度、72度、120度、150度、180度」それぞれの意味です。それらの理解が手厚くなりました。

元々知っているつもりだった内容も、あまり知らなかった内容(特にマイナーアスペクト)も、何度も繰り返し登場してきて、いろんな側面からいろんな表現を駆使して説明されているので、占星術用語の理解の充実度が上がりました。

マイナーアスペクトが扱えるようになった

「40度、45度、51.428度、72度」という、マイナーアスペクトに慣れてきて、扱えるようになりました。これは大きいです。今ではマイナーなしには、ホロスコープが読めなくなりました。マイナーアスペクトなしでは、此の人物は説明できない、という例を幾つも発見できました。

マイナーアスペクトの中では、最初は40度が難しかったです。繰り返し読んで覚えこんでいる文言が、実際どういう出方になるのか。これは、個人セッションでもしつこくマイナーアスペクトを見続けたことが、理解を助けました。

72度と144度はどう違うか。45度と135度がどう違うか。これらの倍数のアスペクトについては、この本では詳しく分類して書かれてはいないので、今後検証するテーマです。

 

実例を調べる術があると、この本の価値が倍増する

このアスペクト解釈大事典と、ケプラーなどのデータベースの検索機能のある占星術ソフトは、最強の組み合わせではないかと思います。

実例は大量にストックしているだけでは、漠然としたままで役に立ちません。ですが、読書で「このアスペクト」と焦点が絞られると、急に面白みが出てきます。本の記述が本当にこれら全員に当てはまるのか。当てはまるとしたら、どこに、どのように出ているのか。そう考えながら、一覧表やホロスコープを見ると、とても勉強になります。

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誰がどのアスペクトを持っているのか。それを記憶に頼るのは限界があります。記憶違いもあります。見たことのある有名人のホロスコープも、結構忘れています。なので、見る都度発見があります。

あるアスペクトを持っている人を一覧で表示するのは、何かとても気持ちがいいのです。乙女座精神です(僕は火星、木星、土星が乙女座にあります。)混沌として見える事柄を、具体的にはっきりさせていく過程が僕はとても楽しいです。

この本には有名人の例が紹介されているわけではありません。僕が自分で集めた実例を照らし合わせて考えていた結果、有名人に多少詳しくなれました。



長くなりましたが以上です。

「3周目をやりませんか」というご要望がありますが、今のところはしないつもりです。何か今度はアウトプットをしようと思います。マイナーアスペクトの講座でしょうか。


読書会のFacebookグループは、しばらくそのまま残します。
自由にご視聴いただけます。
参加条件は、本がお手元にあることです。

 
こんなにお世話になった本はありません。
ありがとうございます。

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