こんにちは。
占星術家の竹内俊二です。
マイナーアスペクトのことを書こうと思って、前置きのアスペクトの説明をし始めたら、かなり詳しくなりました。
アスペクトとは
ホロスコープを解釈するために欠かせない要素が「アスペクト」です。Astrodienst(アストロディーンスト)などのサイトやソフトでホロスコープを出すと、天体同士が色んな色の線で結ばれていると思います。これがアスペクトです。
これはアストロディーンストで出したホロスコープです。
アスペクトの線で結ばれている天体同士は、どんな種類の線であっても必ず関連し合って働いており、何らかの影響があります。
基本的に「動きの遅い(公転周期が長い)天体が、動きの速い(公転周期が短い)天体に対して影響を与える」という形で働きます。これはアスペクトを理解する上でものすごく大切な法則です。動きの遅い、遠い天体ほど、強大で底深い力を持っていると考えます。
山羊座の月なのに、全然山羊座の月っぽくない理由
多くの人が、最初は月星座(サイン)や太陽星座という箇所を見ると思います。ここは本やwebサイトに辞書的に書いてあるものを読むだけでも、比較的わかりやすいと思います。例えば「月が山羊座にある人は真面目とか、聞き分けのいい大人びた子供だった」などです。
しかし、この「天体+サイン」の解釈が当てはまらない人も一定数います。ある知り合いの人は月が山羊座にありますが、「真面目ではなかったし、全然聞き分けの良い子供ではなかった」と言っていました。
この謎を解決するのがアスペクトです。
天体のサインの意味とは正反対に思える天体が、影響がハッキリ出やすい種類のアスペクトを作っている場合に、上記のようになりやすいです。アスペクトを読まないと、情報が不足してきます。
上記の例の方の月は、簡易的に表すと以下のようになります。
- 月が山羊座にある。
- 月に天王星がコンジャンクションのアスペクト(つまりホロスコープ上でほぼ同じ場所に重なっている)を作っている。
という状態です。
月よりも天王星の方が速度が遅いです。前述した通り、占星術では、動きが遅い遠くにある天体の方が強いと考えます。そのため、遥か遠い場所にある天王星が月に向かってエネルギーが流れている、影響を与えていると考えます。
要するに「山羊座の月に対する補足説明として天王星が結びついている、天王星が月に対してエネルギーを供給している」と考えます。
すると、月が山羊座にあったとしても、天王星っぽい特徴の方が全面に出てきます。「意味が理解できない押し付けのルールには従いたくない、反発する。自由と独立心」などの天王星の影響が乗っかった形で、この月は働きます。
しかし「山羊座の月」というサインの影響が消えるわけではありません。あくまで山羊座の月です。自己管理力、効率重視、実務的な能力は発揮されますが、それを人からとやかく言われたくない、自分のルールに沿って運用したいという、天王星の影響が働いている山羊座の月です。
アスペクトにはいろいろな種類があります。
その中でコンジャンクションが最も強く働きます。2つの天体の作用は切り離せず、常に同時に働きます。
ハードアスペクト
コンジャンクションのその次に強くはたらくのはオポジションで、その次がスクエアです。これらはハードアスペクトと呼ばれるもので、強く働きます。ハード=凶という意味ではありません。その人の人生そのものを表す出生図が凶とかはないです。単に急激で、時々行き過ぎるという意味です。ハードアスペクトには膠着状態を打破する、変化を起こすパワーがあります。
オポジションは相手や環境に関心を向けて、勢いよく飛び出したり、反対に引き出されたりする作用です。じっとしていない。アクティブな作用です。
スクエアはシーソーのような極端な切り替えです。勢い余って切り替わるという印象です。月と天王星のスクエアならば、月が表すプライベートの時間の中に「完全に山羊座の月」の時間と、「完全に天秤座の天王星」の時間の2種類があります。普段は山羊座的にその場に合わせているのに、直前になっていきなり「やっぱりやめる」と天王星的な言動が出たりします。切り替わる瞬間は不安定でコントロールしにくいので、その部分を指して「ハード」というのだと思います。
もちろん、相手側の天体によって、作用は様々です。月と金星がスクエアならば、「普段着」の月と「よそ行き」の金星がまるで対照的とか、土星のスクエアならば緊張感や慎重さが行き過ぎる、木星のスクエアならば楽観性やアバウトさが行き過ぎるなどです。
イージーアスペクト
比較的穏やかで調和的に働くのはトラインとセクスタイルです。これらはイージーアスペクト(あるいはソフトアスペクト)と呼ばれます。
主として考える月や太陽などの個人天体の働き方を、加速させたり、立て直したり、間接的に応援する、調整しながら助け合うなどの作用です。ずっと同じ姿勢を続けたい、変化を嫌うという面もあります。特にトラインはそうです。
アスペクトを読み解くためのシンプルな流れ
ここで言いたいことは、月が「どんな種類のアスペクトを作っているか」よりも、「どの天体とアスペクトを作っているかのほうが大事」ということです。エネルギーの供給源、補足説明としてくっついている天体は何なのか、ということです。
月が天王星とアスペクトの線で結ばれている。
それならば、どんな種類のアスペクトであれ、月の特徴の中に天王星的な特徴が混ざってくるという点は共通しています。ただ、作用のインパクトとしては、基本的に前述したように、コンジャンクションとハードアスペクトが強めになり、より目立ちます。
(ただし、複数のアスペクトがある中で、どれが強いのか、目立つのかということに関しては、アスペクトの正確さ=オーブも関連します。)
ただ「私のホロスコープにはハードアスペクトが多いです」と言われても、それだけでは何も言えません。どの天体に対して、何の天体がアスペクトしているのか、という情報が必要だからです。
月と火星がアスペクトしているらば、元気で活発な気合の入った性格。
月と土星がアスペクトしているならば、堅実で慎重な性格。
月と冥王星がアスペクトしているならば、とことん徹底的に集中する性格。
などなど。
様々なバリエーションがあります。
まずは天体2つの組み合わせから意味を推理してみましょう。
その次にアスペクトの種類を見て、どんなふうに影響を与えているかを考えます。激しくパワフルなのか、穏便で調和的なのか。
影響を与える相手側の天体は、どこのサイン、ハウスにあるのかも見てみましょう。
そこがエネルギーの供給源です。9ハウスの太陽に対して、7ハウスの木星がセクスタイルならば、9ハウスの研究や執筆、教育関係の仕事などを、7ハウスの協力者が盛り上げ、応援してくれるなどです。
9ハウスの太陽が魚座だとすると、研究や教育の内容が魚座的になります。スピリチュアルな自己啓発的なものか、あるいはホリスティックな雰囲気が出てきます。7ハウスが山羊座の木星ならば、公的な専門機関の偉い人に見えてきます。
同じ要領で、太陽にはどんなアスペクトがあるかも考えてみましょう。
太陽は人生を前進させる方向性や目的です。太陽にアスペクトを作っている天体は、その時に助けになる、連携して働く手掛かり、引き出しとして働きます。
水星は知性や実務性、金星は美意識や社交性、火星はチャレンジです。それらに対するアスペクトも同様に見てみましょう。
補足説明を付け加える、影響を与える側の天体の速度が、遅ければ遅いほど、エネルギーは巨大になります。個人天体に対して、トランスサタニアンが結びついている場合は、常識や世間のルールである土星を越えたところからエネルギーが供給されることになるので、特殊で個性的な特徴として読むことができると思います。ハードアスペクトならばなおさらです。
単に「月や太陽などが◯座にある」というだけの情報では当たってないと感じていた人も、アスペクトで結びついている天体の意味を拾ってつなぎ合わせてみると、きっと納得度が増すと思います。
線だらけのホロスコープの見た目に圧倒されないようにしてください。まずは太陽に対して何が結びついているか、月に対してはどうか、水星に対しては、金星に対しては・・・と、順番に行きましょう。
マイナーアスペクトを説明するつもりが、アスペクト自体の前置きの説明で長くなってきたので、次につづきます。
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8/14(水):天体、サイン、ハウス編
8/15(木):アスペクト編
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